ばね指の症例
「ばね指」は「弾発指(だんぱつし)」とも呼ばれ、手の指に起きる症状です。
- 指を曲げようとした時に「引っ掛かり」を感じる。
- 指の曲げ伸ばしがスムーズにできない。
- 指の曲げ伸ばしの際に、指の関節に痛みが走る。
- 指の関節で炎症が起き、腫れている。
こういった症状が朝起きた直後が一番キツイ状態で、日中になると幾分マシになるようです。
発症にも偏りがあり、「親指」と「中指」に多いです。
最初は僅かな違和感から始まり、だんだんと「硬直度」が増し、「痛む時間」が長くなってきます。
残念ながら自然治癒するケースは少ないようです。
症状が進むと引っ掛かりが強くなり、反対側の手で介助しないと「指の曲げ伸ばし」ができなくなります。
人によっては、曲げ伸ばしの瞬間に激痛を伴うこともあります。
利き手がこのような状態になると、生活の質(QOL)の低下は避けられません。
ばね指の原因
ばね指(弾発指)の原因ですが、西洋医学的には
MP関節掌側部位でA1プーリーの近位部腱鞘に肥厚・狭小化と、屈筋腱そのものの肥大・硬化が生じ 指屈伸運動時に弾発現象が発生する疾患
という説明になるそうです。
かなり専門的で、難しい表現ですね…。
簡単に言い換えると
指を動かすとき、指の腱(けん)がそれを包む腱鞘(けんしょう)という筒状のカバーに引っかかる状態になっていて、引っ掛かりが外れた時にバネみたいな動きをする
というイメージです。
「腱」とは筋肉の端の部分で、骨に繋がっています。
力を入れて筋肉が収縮すると、端にある腱が引っ張られ、その先の骨も引っ張られます。
このようなメカニズムで、指などは動くようにできています。
実はこの説明の前半は「腱鞘炎」の話を含んでいて、引っ掛からずに擦れて炎症が起きた状態が「腱鞘炎」です。
最初の難しい説明には「肥厚・狭小化」とか、「肥大・硬化」といった組織の変形(器質的変化)に関する言葉がでてきます。
しかし初期の段階では、ほとんど変形は生じていないのではないか?と推測します。
なぜならば、施療直後に「ばね指」の引っ掛かりが改善するからです。
変形してしまった組織が施療の前後、高々1時間弱の間に元に戻るとは思えません。
つまり、最初から変形などしていなかった、と考えるのが妥当です。
ではなぜ「引っ掛かり」ができていたか?というと、筒(腱鞘)の中を通るロープ(腱)が「筒の中心からズレて、内壁に擦れていた」ということではないでしょうか?
施療することで腱が腱鞘の中心を通過するようになり、引っ掛からなくなったのでしょう。
ばね指が改善した例はたくさんありますので、もし手術をお考えなら、その前に一度ご相談ください。
「友達がばね指で掌を切る手術をしましたが、寒いとそこが痛むそうです。私はここに通って切らずによくしてもらったので助かりました。」(四日市市内在住 女性)